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稲葉ほたての仕事メモ

ウェブの編集者/ライターやってます。仕事のメモを置いておく予定でした。

サイゾー2015年4月号で宇野常寛さんと対談しています

 

  月間カルチャー時評のコーナーで「ニコニコ闘会議2015」について話してます。

 内容は、闘会議をネタにゲーム実況の事情からIngressまで、最近のウェブ文化としてのゲームについて色々と話してる感じです。

2015/3/23週に出た記事

  ちょうど『インベスターZ』にも出演中の、DMM会長・亀山さんのインタビュー記事。当日は、恵比寿ガーデンプレイスのオフィスで、宇野常寛さんと一緒に話を聞いてきた。DMMのIT業界における歴史的な位置づけが見える記事だと思う。艦これ制作時の話なども聞いてるので、そこに興味のある人もぜひ。

 

 前の記事でも紹介したように、1月末の闘会議で展示された自作ゲーム大年表が、web公開された。各年代ごとの紹介文については、『ゲームの今』に寄稿した「自作文化」の項目とあわせて読むと面白いかも。

 

 自作ゲームフェスのクリエイターインタビュー連載も、ついに第7弾になった。今回は、同人ゲームの伝説的な名作『花帰葬』制作時の話をHaccaWorks*に聞いてきた。

 普段とは全く違う層のユーザーたちが反応していて、ちょっと面白かった。逆にいつもの、ゲーム実況好きの10代の子や、コンシューマーに思い入れのあるオジサンたちからは反応が薄めで、少し毛色が違う回と認識されてしまったかあ……と、そこは書き方を反省中。というのもこの回、実はここまでの連載で最も自作ゲームならではの運営や心構えの本質に迫った話になっていて、本当はド直球の内容であるからだ。滅多に聞けないありがたい話になっている。

 とはいえ、クラスタの子たちが随分と歓喜していたようで良かった。個人的には、某ミステリ作家のクラスタに記事が波及したことで、大学時代の同期のジャンルをやってる人と知り合えたのも収穫ですかね……(!?)。

 

 連載第4回目の無料全文公開。

 浅羽通明さんは本当に深いレベルで影響を受けた人なので、こういう仕事をする人間になったからには一度じっくりと取り組んでみたかったので、良い機会だったと思う。ご本人からのレスポンスについては、またいずれ機会があれば。

自作ゲーム大年表がweb公開されました

 1月中に血を吐きながら作り、闘会議で展示された「自作ゲーム大年表(β)」がweb公開されました。

 せっかくなのでアップデートしてから公開しようという話もあったのですが、まずは闘会議の思い出を鮮度の高いうちに保存しようということで、サクッとネットで出すことになったそうです。上のリンクから行けますので、興味のある方はぜひ。

 

 ちなみにこの年表、実は制作の最終段階で、イベントスペースの限界から掲載予定のゲームを何十本も切ってます。本当はポケコンのゲームとかまで調べて、色々と入れてました。もちろん、90年代末~00年代初頭のあの時期の同人ゲームもたくさん。当時の関係者の人にヒヤリングしながら作ったのですが、たぶんこの年表には、その1/10程度しか反映されていません。 

 というわけで、「アレもコレもねーぞ!」と怒られまくるかと少しビクビクしていたのですが……はてブTwitterではわりと(それも網羅性が)好評で、制作者としてはひと安心しました。

 とはいえ、まあ不満な人も沢山いますよね。ということで、近日中に自作ゲーム専用Wikiが公開されるそうです。そっちでは作品ごとにページを作成できるみたいなので、ベーマガの思い出の一作から自分のパソコンの片隅に眠る未公開作品まで、もうみんなでガンガンやっちゃえばいいと思います。

 

 個人的に今回作りながら思ったのは、あまりにも自作ゲームの一次情報がネットに少ないことでした。信頼が置ける情報が云々以前に、そもそも情報が存在してない!

 じゃあ、リアルの書籍にあるかといえば、もちろん、自作という視点で投稿雑誌・即売会・フリゲまで網羅した酔狂な本なんて無論、存在しませんでした(というか、この三つの各々のジャンルに限ってまとめた本すらない。まあそりゃそうだって話ですけど)。結局、最後はリアルで人に聞きに行くのが一番、という判断で年末からもりもり関係者に会い続けて、なんとか暫定的に完成させたのが、あの年表です。

 そんな感じなので、ベータを外すことを頑張る前にWikiを作って一次情報のデータベースを充実させようぜ、という判断は正しいと思います。正史についてしっかり議論できるようになるのは、その後かなあ、と。そんな感じで、Wikiが公開された暁には、みんなでガンガンとデータベースを充実していけるといいな、と思っております。

ブログ再開します

年末から突然仕事が増えだして、てんやわんやだったのだけど、最近になってやっとその忙しさに慣れてきた。

なので、ぼちぼち更新を再開します。基本は、仕事の報告とメモです。なるべく更新多めで長く続けたいので、あまり重くならない感じでゆきます。

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2015/3/16週に出た記事

自作ゲームフェス5に向けて、クリエイターインタビューの連載が再開。初回は、自作ゲームフェス4大賞受賞者のtachiさんに取材した。

インタビューで2時間半話して、さらに食事でまた話し続けたというw 話した内容は、フリーゲームのことから最近のネットの創作事情全般、他にももっとくだらないことまで本当に色々。自分も刺激になったけど、それ以上に単になんだか良い思い出である。

自分が24歳の頃もニートみたいなもんだったけど、そのときに取り憑かれたようにやってたことが、現在に繋がっている。自分も、もっともっと頑張らなきゃなあと思った夜だった。

 

この記事、あまり話題にならなかったけど、プラットフォームの進化モデルの話として、とても良くまとまった事例になっている。単なるデータベースの整理から、ユーザーの欲望を汲み取るレコメンデーションに移行して、ついには日本の不動産文化そのものの変革に向かっていく――そのHOME'Sの流れを井上社長には実例豊富に話していただけた。

個人的に面白かったのは、不動産には口コミは向かないという話。食べログが成立するのも、つまりはサラリーマンがしょっちゅう外食する機会があるからに他ならない。それに対して、転居なんて1人の人間の人生に5,6回あるかないかで、そうなると"素人の目利き"というのは少し難しくなる。CGMの前提条件には、実はこういう頻度の問題が隠れている。

逆に言えば、CGM的な方向でのネット利用の破壊的イノベーションが機能しづらい分野がどういう類のものかが、こういう話からは見えてくる。あとは、リクルートWeb2.0でそれほど痛手を負ってない理由とかも。

 

今回は、1対1の通信環境を扱った電話論から、いわゆる"N対N"のネットワーク通信の環境に議論を拡張させてみた。補助線として、レイモンドの『ノウアスフィアの開墾』の話題から始めて、贈与論の周辺の議論を使っている。

それにしてもこの連載、いまや自分のインタビューモノではない唯一の書き原稿仕事となっている。取材系の仕事が楽しくて仕方ないとはいえ、少し書き物は増やさないとなあ……。

『ゲームの今 ゲーム業界を見通す18のキーワード』で「自作文化」と「実況・配信文化」を執筆しました

久々に更新。

今月1日に発売された『ゲームの今』という本の中で、2つの章を担当した。 

ゲームの今 ゲーム業界を見通す18のキーワード

ゲームの今 ゲーム業界を見通す18のキーワード

 

この本、400ページを超える(!)凄まじく分厚い内容で、ビジネス・カルチャー・テクノロジーの三部構成で各ジャンルの識者が原稿を執筆している。編者の徳岡さんからは、依頼時に「これから就職する若いゲームクリエイター候補に読ませたい」と聞いていたので、わりと気軽な内容なのかな……と思っていたが、いやいやいや実際に読んでみるとどえらく濃厚な本であった。

さて、そういう中で自分が担当したのは、カルチャーを扱った第2部の、第8章「実況・配信文化」と第12章「自作文化」である。両方ともあまり真面目に語る人のいない話題でもあり、たぶんドワンゴのこの分野の担当者のような人間を除けば、全体像を把握している人間なんてそもそもいないに等しい分野なので、それ故に自分のような存在に声が掛かったのかなと思う。

とはいえ、平易さを失わない範囲で、なるべく自分が把握している最先端の問題意識を体系的に広い視座から記述することを心がけた。興味のある人は、ぜひ手にとっていただければと思う。

バイラルメディアって何だったんだろう


で、バイラルメディアって儲かるの?4ヶ月運営した管理人が驚きのアフィリエイト収入を公開 | netgeek

 

ネットギークが何を言ってるんだ、というツッコミ待ちの記事なんだろうけど、このサイト、わりと自分は普通に毎日見てしまってるので、そこは何も言えない(……いつも背後に黒い何かがあるサイトな気がしてならないけど……w)

ただ、今年バイラルメディア関係者の話を聞いて本当に驚いたのが、この分野はマジでビジネスもコンテンツもテクノロジーも、よくわかっていない人間たちばかりが運営していたことである。ぶっちゃけ、ネットの流行りものと言われている分野で、ここまで(言っては悪いが)「低脳」な人たちが集まっている場所なんて、初めて見たとさえ思った。

もちろん、インターネットは参加に制限のある場所ではないので、下を見ればキリがないのだけど、この旅のサイトにしても最低限のビジネスモデルについて知識があれば、こんなひどい話にはなり得ない。以前に落合陽一さんが、アーティストのようにアプリやウェブサービスを作る時代が来ているんだと力説していたけど、そのネガがこういう人たちの存在であって、要は一攫千金を狙って寂れた商店街でどうでもいいカバー曲を歌ってるアマチュアミュージシャンとかに当たるのが、彼らなのだろう。ほら、「Wordpressさえあれば君も出来る」という言い方って、「ギター一本で世界を狙える」みたいな話みたいでしょ。

じゃあ、プロのミュージシャンは何をしてるのかという話だけど、そんな人たちはギター一本でスケールする形で差別化するのなんて死ぬほど難しいことくらい知り抜いているので、そもそもこんな場所には来ないし、大体ソーシャルメディアのバズのようなストック性のないもので金を稼ぎ続けるなんて、望んで自転車操業の人生を歩むに等しい。そもそもマトモに物事を考えられる人が来るような場所ではないのだ。

 

それにしても、学生時代からニュースサイト周りで5年以上仕事をしていて、これほどネットライターの価値が跳ね上がった時代はないと思う(「君、死にたいの? 馬鹿なの?」と言われ続けた記憶しかないっすからね!)。来年はオウンドメディアが話題になるのは確実で、既に自分の周囲でも複数の契約を抱えてる人が結構いる。

それ自体はありがたい話なのだけど、ほとんどのメディアはバブルの頃の広報誌みたいに、単なる誰も読まない赤字メディアとして死んでいくのだろうと思われる。実際、パーティとかで会うオウンドメディア周りの人になると、昨日まで広報をやっていた人が社長からいきなり任命されて、一人だけの担当者としてとりあえず一日一本入魂の記事をリリースし続ける、みたいな必敗確実な運営をしてたりして、うーむと思う。

本気で勝ちに行くのなら、コンビニ弁当以下の価格でライターから記事を買い叩いて、長文のまとめ記事を毎日何本もリリースしていった某社のような詐欺力の高さが必要なんじゃないかしら(今はどうか知らない)。いずれにせよ、長続きする話ではない。

 

ちなみに個人的には、わりとマジでディープラーニングなんかで、いまウェブメディアの編集・ライターが持ってる、プレリーから1000字以下のニュースを即座に書き起こす能力や、タイトル付けのスキルは代替されていくように思う。まあ、10年単位での話になるかもしれないけど、そのときにはバイラルメディアなんて人間が運営する必要はちっともない。特にネットのタイトルなんて、糸井重里的なシンボルの領域を操作するコピーライティングではなくて、顧客接点でのチラシ的な煽り要素の方が重要なわけで、そうなると因数分解は結構やりやすい。

仕事の合間に時折、そうなったときに残る価値ってなんだろうと考えることがある。例えば、ニューラルネットワークがまだ追いつけないような類の複雑なニュアンスを帯びた長文でヒットを飛ばせるスキルは、結構イケると思う。その土俵にまで持ち込めば、単に「面白さ」の勝負になるので、どこまで行っても「拮抗」くらいにとどまれそうな気もする。だけど、より本質的なのは編集やライティングの概念を記事を書くという行為に閉じさせずに、より広く総合的な概念へと拡張させていくことではないかと思う。それは企画屋と言われる稼業に近いのかな、とも思う。そう考えると、ネットメディア出身の書き手も結局は出口は、あんまり紙の時代と変わりませんね、という話かもしれない。